ふくらはぎ 電気鍼
50代男性。ふくらはぎが張ってしまい、こむらがえりや、就寝中はつることもある。足が重たい。このような症状に対して、即効性のある電気鍼を致しました。施術後は足が軽くなり喜ばれました。
鍼治療には、低周波の電気を流す電気鍼(パルス)という治療法があります。電気鍼と聞くと身体に電流が走り、ビリビリしないの?と不安に思うかもしれませんが、電気鍼とは筋肉に20~30分の鍼通電刺激をして、筋肉を支配している神経を興奮させ鎮痛系を賦活させます。簡単にいえば鍼に低周波の電気を流しながら行う治療方法の一種です。
通常の鍼治療と同じようにからだに鍼を打った後に、それぞれの鍼に電極を繋げ、からだに害のない低周波を流していきます。別名でパルス療法、鍼通電とも呼ばれます
通常の鍼灸治療の違いですが、鍼治療とは、ツボや筋肉にステンレスや銀製の鍼を刺していく治療法で、鍼を刺したツボや筋肉は、刺激を受け血行が促進されることで、症状の改善に導きます。
電気鍼は、通常の鍼治療の作用に加え、根本原因の筋肉に電気を流し、連続的な収縮・弛緩運動を促すことで、より効率的に筋肉へのアプローチができます。そのため、通常の鍼灸治療よりも、血行促進作用も高く、短期間で慢性的なコリの改善や痛みの緩和が期待できます。
当院では、電気鍼にするか、通常の鍼灸治療にするかは、患者さまと相談して決めています。治療方法も、患者さまの好き好きもあり、どちらの治療法が良いとは簡単には決められません。
電気鍼は鍼を深く刺入し、電極をつなげて15分~20分ほど通電します。通電された部位は短時間で血流が促進され筋疲労を緩和するので、慢性的なコリや痛みの改善が期待できます。特に痛みのある場所に鍼通電をすると、筋肉を支配している神経を興奮させ、痛みの鎮痛効果が期待できます。
痛みを伴う部位の筋肉は緊張し、凝り固まっているので、電気鍼をすることで血流も改善され、痛みやコリの緩和に繋がります。電気鍼の刺入した鍼先からの感覚については、トン、トン、トンと一定のリズムで筋肉がキュッと収縮する刺激を感じます。
目的とする治療により1Hz =1秒間に1回(ゆっくり)から、10Hz=1秒間に10回(高速)など周波数やモードを使い分けています。実際に治療を受けてみると、はじめは電気を流すとピクピクと筋肉まで動くのがわかるので驚かれることもありますが、しばらくすると感覚に慣れ一定のリズムが、マッサージのように心地いいという声も多くあります。
電気鍼の最大の効果は、患部に通電させて筋肉のはたらきを司る神経を興奮させ、脳が感じている痛みの信号を抑制し、患部のつらい痛みの緩和につながります。普通の鍼よりも効率的に筋肉にアプローチし、血行を促進するので、素早くコリや痛みの解消を導きます。共通しているのは、通常の鍼も、電気鍼も、身体の血流や筋肉に働きかけて改善する、自然治癒力を引き出す治療方法ということです。