花粉症
花粉症になると鼻の症状だけでなく目にもつらい症状が現れる事があります。これは花粉が目につくことで、花粉を除こうと免疫反応が起こることが原因です。目のかゆみ、充血、流涙の症状などが代表的です。花粉と言えば、春や秋にしか飛ばないというイメージがありますが、実は1年中、様々な花粉が飛んでいます。ヒノキは2~5月、スギは2~6月、イネは4~10月、ブタクサは8~10月などが有名です。花粉の中でも、多くの人が苦しむのがスギ花粉によるアレルギーです。スギ花粉が多く飛ぶのは、気温が高く晴れて、空気が乾燥して、風が強い、前日に雨が降った日や、気温が高い日が続いた後といわれています。最近では、鼻だけでなく、どうしようもない目のかゆみに悩む方も多いと思います。目は外界と直に接しており、花粉にさらされやすいです。角膜や結膜という、潤っている粘膜が表面を覆っているため、花粉が付着しやすいのです。花粉に含まれるタンパク質が、人間へのアレルギーを引き起こします。花粉に含まれるタンパク質は涙に溶けやすい性質だと言われています。目の粘膜に付着して、溶かされたものが、涙液によって目全体へと広がっていきます。そのため花粉が目に入ると目の全体に症状が現れやすくなります。結膜には、アレルギーに関わる免疫細胞や血管が多いため、炎症細胞が次々に届きます。炎症細胞が花粉に反応することで、目のかゆみや赤みなどの症状が現れるのです。大切なのは、目の症状を未然に防ぎ、症状に速やかに対処することです。鍼灸治療では、未病に治すという言葉があります。未病を治すとは、優秀な医者は患者の体質を考慮しながら、次に起こる病態を予測し、早めに処置することで病気の発生を未然に防ぐと記されています。日頃から心身の状態を整えていくことで、病気になりにくくしたり、病気の進行を未然に防いでいく、予防としての治療も大切です。今症例では、目の疾患のツボである、請明にお灸をしています。花粉症シーズン前から、始めると効果的です。