前立腺癌術後　ED治療

前立腺の右側と左側の両方のすぐ外側には、勃起に欠かせない「勃起神経」が通っています。そのため、前立腺癌よって勃起神経にまで悪影響が及ぶとEDを引き起こす可能性があるのです。しかし一般的には、前立腺がんが直接EDを引き起こすことはないとされています。

前立腺がんの手術において、勃起に欠かせない勃起神経を損傷してしまい、EDを発症してしまうことはあります。通常、前立腺がんの根治的手術の際は前立腺全摘除術が行われますが、前立腺とともに勃起神経を切除してしまうとEDになる可能性が高くなるので、最近では、性生活の質（QOL）が考慮される傾向があるため、勃起神経を温存する手術を行うのが一般的です。

それでも、摘出する範囲によっては勃起神経の切除をを避けられなかったり、勃起神経自体を手術によって損傷しなくても、手術中の牽引や電気メスによる熱などによって勃起神経にダメージが与えてしまうこともあります。前立腺がんがEDを招くというよりは、前立腺がんの手術や治療がEDを招いてしまう逆説的なこともおこるのです

勃起神経は、後側方に走行していますが、1本ではなく、何本もの神経が、動脈や静脈などの血管と伴走して陰茎へ向かいます。神経の切断、切除具合によりEDが起こるんですね。

前立腺がんの手術は成功していても、前立腺がんの治療は、患者に大きな精神的・心理的負担をもたらすことが多いです。がんの診断自体が、男性機能への不安を引き起こし、これがEDを引き起こす一因となることがあります。さらに、治療後に勃起機能が、順調に回復しないとさらに不安が増大し、EDを悪化させることもあります

前立腺がんと勃起不全の関係は、がんそのものというよりも、がんの治療による身体的・心理的影響に起因することが多いです。勃起不全は前立腺がん治療後によく見られる合併症ですが、適切な治療とリハビリテーションにより、機能回復が期待できる場合もあります。勃起不全に対する早期の対応が、男性機能を向上をするのは間違いないです。放置せず治療しましょう