変形性足関節症
変形性足関節症は、足首の関節を構成する脛骨、腓骨、距骨の表面を覆う軟骨がすり減ってしまい、軟骨が損傷して炎症が起こり、痛みを生じる病気です。足関節は複数のじん帯で守られていることで安定しています。しかし頻繁に捻挫を繰り返したり、過去に足首の骨折をしたことがあると、足首のじん帯が緩んでいて、足関節が不安定になっていたり、関節炎にかかりやすくなっていたり、体が疲れているときに細菌感染しやすくなることもあります。変形性足関節症は、発症初期は歩行開始時に痛みがあり、しばらく歩いていると痛みは軽減します。しかし長時間歩いていると再び痛くなるといった特徴があります。キーワードは、「動き始めに痛い」「朝早く起きてすぐの1、2歩が痛い」「しばらく動かすと楽になる」「夕方に腫れる」「坂や階段を下りるのがつらい」と言ったものです。変形が進行すると、常に痛みがあり、足首の変形も目立ち、可動範囲も狭くなります。捻挫や骨折をしていなくても、O脚の人は、体重が足首の内側に集中してかかり、内側の軟骨が傷つきやすくなり、足関節症を発症することもあります。加齢によっても、軟骨の水分が減少しスムーズな関節の動きがしずらくなり、傷みがでてくることもあります。進行度は、足関節の状態によって、軟骨に十分な厚みが残っている初期、軟骨が次第に薄くなることで軟骨のふちに負担がかかるようになって骨棘ができる進行期、ほとんど軟骨がなくなり骨棘が大きくなって骨が変形する末期の3段階に分類されています。鍼灸治療としては、患部の疼痛緩和をして、ゆるくなった人体への血流を促し、栄養を与えて、患部の状態の悪化を防いでいきます。